BOOK "Statues of Kannon"
2021 年10月27日、青弓社より『観音像とは何か――平和モニュメントの近・現代』が出版されました。
観音像はいかに平和を象徴する存在として広く認識されるようにな ったのか。近代以降に美術概念の影響を受け制作されるようになっ た観音像は、寺院や墓地のように従来から仏像が設置されてきた空 間だけではなく、公園などの公共空間にもモニュメントとして建立 された。戦前から戦時期には興亜や戦死者慰霊の観音像が多く建立 され、大東亜共栄圏を象徴するモニュメントという時代性も背負う ことになった。
戦後、戦争死者の慰霊や地域の復興などを目的に、観音像は平和を 象徴するモニュメントに姿を変えていき、ランドマークとなる巨大 な観音像も作られていった。また、平和観音の寄贈活動、硫黄島や レイテ島に建立されたマリア観音など、ほかの尊格の仏像とは異な るユニークな活動もみられるようになった。
戦争や社会状況、人々の信仰や思いを背景に時代ごとに性格を変え ながらも、平和の象徴として共通認識されることでモニュメントと して独自の発展を遂げた観音像の近・現代史を描き出します。
目次
はじめに――なぜ「平和観音」なのか
第1章 近代彫刻史のなかの観音像
第2章 戦時下の観音像と怨親平等
第3章 平和観音の流行
第4章 平和のモニュメントとしての観音像
第5章 巨大化する観音像と「平和」のイメージ
第6章 平和観音から生まれた平和活動
第7章 仏教を超えた平和の象徴としての観音像
おわりに――現代の観音像へ
あとがき
【お詫びと訂正】
本書の第5章の注番号に誤りがありました。
162ページの注番号(42)が不要でした。校正時の確認不足で誠に申し訳ありません。
162ページの注番号(42)を削除して、現在の(43)以降を1つずつ少なくしたものが正しい注番号です。
なお、165ページから始まる注はすべて正しく、(42)を削除して番号をずらせば注と注番号も合致します。
読者のみなさまにご迷惑をおかけしたことを、心からお詫びします。
On October 27, 2021, Seikyusha published "Statues of Kannon: Peace Monuments in Modern and Contemporary Japan".
(All in Japanese)